工務店の営業とは?工務店の仕事内容や営業のコツを解説

工務店には、ハウスメーカーにはない特徴があります。地域密着性や細かな要望を反映しやすく、また、住宅建設における自由度が高い点が大きな違いです。しかし、実際に全体の8割の住宅を工務店が手掛けているにもかかわらず、一般的に住宅の建築と言えばハウスメーカーをイメージする人も多いのが実情です。そこで、本記事では、工務店の存在を知ってもらうためにはどのように営業活動を行えばよいのかといった観点で、営業のコツについて解説します。

工務店の営業とは

工務店はハウスメーカーと異なり、工事全体に責任を持ち、工事に関わる職人の手配や管理をする業者です。一口に工務店と言ってもいくつかの形態がありますが、ハウスメーカーよりも狭いエリアを拠点とし、地域に根ざして少ない従業員で営業する、小規模な会社が多いのが特徴です。会社によって得意なデザインや工法が異なりますが、その自由度が高いという点もハウスメーカーにはない魅力です。

地域密着の工務店は、地域に根ざすからこその細やかなお客様対応とフォローが強みです。規模が小さくても地元密着という特性ゆえ、地元の人たちにとっては愛着を感じてもらえるという特徴があります。そこで、この特徴を生かした営業活動をしていくことが大切だと言えるでしょう。

工務店の営業において意識しておくべきこととして、以下のようなポイントがあります。

  • お客様に対して大手にはできない細やかな配慮ができている
  • 工務店との距離が近いとお客様に感じてもらえている
  • お客様が抱える住まいの悩みをいち早く捉え、寄り添った提案ができる

これらのポイントを忘れずに営業活動をすることで、工務店ならではの良さを活かすことができるでしょう。

工務店の種類

工務店の種類は以下の通りです。

  • 独立自営型

主な業務を注文住宅の設計・施工とする工務店です。業務範囲は、営業活動から設計・施工まで幅広く、自社の社員が管理・主導します。各種保証や融資相談にも対応していたり、独自の工法により規格化を推進していたりする会社もあります。また、社員数が比較的多いのが特徴で、広いエリアにも対応することが可能です。

  • 施工特化型

地域密着で、注文住宅施工を主な業務とする工務店です。小規模な会社も多く、営業人員を置かずに知人や既存顧客からの紹介で仕事を受注することも多いです。技術力の高い工務店の場合、設計事務所案件の見積りに参加して受注を行っている会社もあります。

  • 下請け型

ハウスメーカーや分譲住宅会社の下請けで施工することに特化している工務店です。注文主、つまりお客様と直接下請け型の工務店が契約する機会はまずありません。ハウスメーカーの仕事を下請けする工務店であれば、メーカーが求める基準に対応でき、分譲住宅会社の仕事であれば、大量に早く安く仕上げることを得意とします。

  • リフォーム型

注文住宅の建築ではなく、リフォームすることをメインで引き受ける工務店です。

  • 不動産会社の建築担当型

不動産会社が、建築条件付き土地を販売する際に、建築部分を担う工務店です。

一般的に、居住者となる人が契約する可能性があるのは、独立自営型と施工特化型の工務店です。設計と施工を合わせ、トータルな家づくりを依頼したい場合は、独立自営型の工務店、設計を建築家、あるいは設計事務所に依頼する場合は、施工特化型の工務店から選ぶ場合が多くなります。その他の工務店に居住者が直接依頼することはほとんどないでしょう。

お客様が新築住宅を直接依頼する場合は、施工特化型の工務店か、ハウスメーカーの下請け型の工務店のどちらかです。

工務店の営業のコツ

工務店の営業のコツは以下の通りです。

  • お客様へのヒアリングを重視する
  • デメリットな点も伝える
  • 契約を急がせない
  • 他社の悪口を言わない
  • 建築に関する勉強をする

工務店の営業が家づくりのプランを提示し「いかがでしょうか」とだけ聞く営業だけは成約には結び付きません。お客様は、豊富な知識やお客様が知り得ないこと、具体的な提案を求めているのです。そのため、営業の際はお客様に対し、しっかりとしたヒアリングを行い、希望を叶えるための努力が欠かせません。さらに、地域密着型の工務店ならば、併せて地域の情報を説明すると喜ばれます。

お客様へのヒアリングを重視しましょう

お客様の本当の要望がよく分からない状況で適切な提案はできません。また、お客様も営業のヒアリング能力を家づくりの判断材料にしています。

家づくりにおける打ち合わせでは、価格や性能などの条件面での話が多くなるでしょう。しかし、工務店はフルオーダーやゼロから住宅を作っていくため、条件面からではなく、まずはお客様の考えるライフスタイル像から聞く必要があります。

実現したい家づくりの先にある「どんな生活がしたいのか」というイメージの共有が重要です。したがって、商談中は決して受け身にならず、じっくり会話をしながらプロの目線で正しい方向に導くことが理想の営業だと言えるでしょう。

デメリットな点も伝える

お客様はやりたいことや実現したいことは答えられても、デメリットまでは分からないことが多いです。だからこそ、お客様が想像できていないことをサポートするのがプロである工務店の役割と言えます。

お客様は希望する家づくりについて、プロとしてのアドバイスを求めています。しかし、営業はついつい商品やサービスのメリットを話しがちですが、デメリットも含めたバランスのよいアドバイスができれば、お客様の信頼を得ることができるでしょう。

大切なのは、お客様が最終的に決断をするために必要な知識を十分に提供することです。

契約を急がせない

営業する際には、購入や契約を得たいがためにお客様を急かし、早く答えをもらおうとしてしまいがちです。早く契約を得たいという気持ちを見抜かれてしまうと、お客様は「急かされている!」と感じ、信頼関係を築くことが難しくなります。

せっかく前向きに契約を検討しているお客様であっても、無理に契約したい意志が少しでも見えてしまうと心変わりする可能性があるため、決して焦ってはいけません。したがって、早く成約したいと思っていても、その気持ちをお客様に悟られないように決断をそっと後押しするスタンスで商談を進めることが大切です。

他社の悪口を言わない

商談中にお客様は気に入った他社のプランの話をはさむ場合もあります。その際、他社のプランをうっかり悪く言って否定してしまうのは厳禁です。お客様は気に入ったプランを否定されるような悪口は聞きたくないものです。お客様の考えを否定しているのと同じことになるので注意しましょう。

決して他社の悪口は言ってはいけません。むしろ、他社の商品を褒めた上で「わが社は、それ以上のものを提供できます!」と言われる方がお客様としても嬉しいものです。

建築に関する勉強をする

工務店の営業が家づくりについてきちんと理解しているかどうかは重要です。どんなにお客様との良好な関係作りに尽力しても、家づくりに必要な知識がければお客様に不信感を持たれてしまいます。それでは良好な信頼関係は築けません。

一方、知識が豊富な営業は、お客様の質問に的確な回答ができます。もし分からないことがあっても、普段から勉強する習慣があるのできちんと調べて回答できるでしょう。

さらに、地域の情報についても熟知しておくべきです。地域密着性が強みである工務店は地域情報に明るいです。土地の情報や価格などをまとめておき、建築知識とともに情報提供することで、お客様はより一層の信頼と工務店の魅力に気づくでしょう。

新規顧客の獲得にはホームページが最適

近年、希望する家づくりをしてもらえそうな業者探しをインターネットで行う人が増えています。つまり、インターネットで自社の特徴や施工事例について情報発信することは新規顧客の獲得には今や必須だと言えるのです。

日頃から取り組んでいることやどんなニーズに応えられるのかといった技術力などをホームページでアピールし続けることによって、情報を探している人に関心をもってもらえる可能性が高まります。

また、じっくり読んでもらうための工夫が必要です。具体的には、自社の施工における具体的で明確なテーマを打ち出すことが挙げられます。

  • 「都会にいながら自然を感じられる大人のナチュラルハウス」
  • 「収納空間を十分に確保した、いつでもキレイを保つ家」
  • 「子供の独立後にリフォームで間通りを変更。将来に備えた夫婦2人でも安心なバリアフリー設計」

上記のような施工事例の特徴をはっきりと明示すると、ホームページの読み手は「我が家のプランに近い!」や「参考にできそう!」といった関心を持つでしょう。

利用したい業者が決まっていない人に対してホームページからの集客は有効です。ひとりでも多くの人に自社の魅力に気づいてもらうためにも、ホームページ制作の検討や、すでに制作済みならこまめな更新や改善も必要でしょう。

小規模な工務店の営業とは

小規模な工務店の営業は、いかに効率的に行えるかがポイントです。少人数や一人親方など、小規模な工務店は、大手と比べると経営基盤がどうしても弱くなるため、無駄な動きや経費を発生させない努力や工夫が必要となります。

そこで、効率的な営業を実現するために活用したいのが、ホームページにおける集客法です。ホームページによる集客は今や企業規模に限らず用いられていますが、小規模工務店ほど活用すべきだと言えるでしょう。

例えば、グーグルやヤフーといった検索エンジンで「戸建て」「リフォーム」「住宅+〇〇市(地域名)」など任意のキーワードで検索すると、検索結果には、大手ハウスメーカーばかりではなく、地元の工務店も表示されます。近年、WEBサイトの世界では検索者の現在地に合わせて検索結果が変わる仕組みが一般化しているため、地域密着性の強い工務店にとっては、上位検索されるチャンスが高まるでしょう。

小規模工務店にとって、良質で最新の情報が発信できるホームページを運用することは、コストを抑えながら自社の存在を知ってもらうために有効な施策です。

まとめ

工務店の顧客獲得につなげる「営業」にはコツがあります。どのコツも冷静に考えれば当たり前のことばかりかもしれません。しかし、この当たり前なことができていないために、結果が伴わないというケースが見受けられます。当たり前のことをどれだけ積み重ねられるかが、良い営業か悪い営業かの分かれ道と言えるでしょう。今回ご紹介したこと以外にも、営業成績を上げる方法はたくさんあるはずです。少しずつ、そのコツを見つけていく行動が大切です。ぜひ実践してみてください。

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