工務店の業界動向|ウィズコロナ時代の工務店が講ずるべき対策とは

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大は,様々な業界に大打撃を与えました。住宅業界も例外ではなく、工務店経営者の方々は頭を悩ませる日々が続いていることでしょう。また、現在でも新型コロナウイルスの終息の目処がたっていないため、しばらくは今の状況が続くと予測されます。従来型の経営を続けているだけでは生き残りが難しいかもしれません。そこで今回は、業界の動向を元に工務店が講ずるべき対策に迫ります。

新型コロナウイルスが工務店に与えた影響

新型コロナウイルスが工務店に与えた影響は様々ありますが、主なものとして以下の点が挙げられます。

  • 設備機器・建材の納期遅れ
  • 契約のキャンセル・延期
  • 着工先延ばし
  • 着工現場の工期・引き渡し延長
  • 問い合わせ・来場者数の減少
  • イベント・展示会の中止

影響を受けた主な原因として「設備や建材に関する部品の大部分を中国に依存していた」ことが非常に大きいと言えるでしょう。

2019年12月に中国の武漢市で発症したとされる新型コロナウイルスは、瞬く間に中国国内及び世界各国に拡大しました。拡大防止対策として外出自粛が叫ばれ、一時は街から人の姿が消える事態となりました。そのため、当然のことながら部品の生産どころではなくなり、供給もストップせざるを得なくなったのです。

住宅業界はもちろん、自動車業界や家電業界など様々な業界がサプライチェーンとして部品の輸入を中国に依存していたため、経済活動に大きな打撃を与える結果となっています。

工務店への影響も強く、部品の納期の予測がつかないことから前にも後ろにも進めない状況に陥ったため、作業の中止、もしくは延期を余儀なくされました。

さらに「経済活動が著しく停滞したこと」「いつ完成するか分からない」といった状況に鑑み、住宅購入に待ったをかける動きが活発化したことも少なからず影響していると言えます。住宅購入の優先度が低くなった結果、問い合わせや来場者数も落ち込む結果になりました。感染防止の観点からイベントも中止となり、思うように集客も望めない状況です。

今後の工務店経営の見通し

新型コロナウイルスが発見されてから約1年が経ちますが、具体的な打開策もなく、今後もしばらくは工務店にとって厳しい状況が続くと言えるでしょう。

緊急事態宣言が解除され、国民の危機感が下がっていることから、以前のような日常生活が戻りつつありますが、一方で感染者は増えています。2020年1月に日本で初の感染者が確認されてから2020年11月現在までに120,000人を超える感染者が報告されています。5月頃に一旦落ち着きを見せましたが、8月には1,595人を記録。9月頃には再度減少傾向にありましたが、11月には過去最高の1,686人の感染者が確認されています。

過去1年間の感染者数を見ると「一気に感染者が増えてから徐々に減る」ことを繰り返す傾向にあるようです。つまり「感染拡大が落ち着いたと思っていても再び感染が拡大する」可能性が大いにあると言えます。

また、イギリスの研究報告において「新型コロナウイルス罹患者にできた抗体は、数ヶ月間で衰退する」という見方もあります。この結果が正しいものであれば、新型コロナウイルスの終息は難しいでしょう。

また、ワクチンの開発が急がれていますが、安全性におけるエビデンスが乏しく実用化にはほど遠いと言えます。

このような事情から、今後の工務店経営はまだまだトンネルの中にあると言っても過言ではありません。

工務店が講じるべき対策方法

では、工務店は何も手段を講じることはできないのでしょうか。厳しい状況は続きますが、工務店が講じるべき対策方法はあるのです。主に以下の4つが挙げられます。

  • 3密回避を徹底する
  • モデルハウス・ショールームの見学は予約制にする
  • オンライン内見を実施する
  • WEB集客施策に注力する

一時期よりは外出自粛ムードも緩和されつつありますが、まだまだ不要不急の外出を控える傾向にあります。そんな中、ご来店いただくお客様に対して、万全の安全対策を行うことが工務店の義務だとも言えるでしょう。

また「オンライン内見」や「WEB集客施策」により、来店しなくても情報を得られる状況を整えることによって、お客様が持つ感染への不安を減らしながら営業をすることも可能です。特にIT化が遅延していると言われている住宅業界において、他社との差別化といった観点でこの2点は早急に抑えておく必要があるでしょう。

3密回避を徹底する

新型コロナウイルスによる集団感染が確認された共通点として3密(密閉・密集・密接)が挙げられています。しかし、打ち合わせ時にはプランの説明や図面の確認などで3密ができやすい状況です。そのため、3密を避けるために以下のことを意識しましょう。

  • 換気
  • ソーシャルディスタンス
  • パーテーションで仕切るor向かいに座らない

上記3つの手段が有効とされている理由は、新型コロナウイルスが「接触」と「飛沫」によって感染すると考えられているからです。

換気は、部屋の大きさに関係無く、30分ごとに数分間行いましょう。また、空気の流れを作るためにも対角にある窓を2つ以上開ける必要があるとされています。窓がない場合は、ドアを開放することも有効です。

お客様と商談する時は、最低でも2mのソーシャルディスタンスをとるようにしましょう。2mは「互いに手を伸ばしても届かない距離」と言われており、接触感染を防ぐことに繋がります。

飛沫感染防止には、パーテーションで仕切ったり隣り合わせで座ったりすることで対策をとりましょう。咳払いやくしゃみの飛距離は2m以上と言われています。しかし、パーテーションで仕切ることで、飛沫のシャットアウトが可能です。パーテーションがない場合は、隣合わせに座ることで飛沫感染の可能性を下げることができます。

また、お客様に安心感を持ってご来店いただくためにも3密対策を行っていることは積極的に公表すると良いでしょう。

モデルハウス・ショールームの見学は予約制にする

「予約制」は3密を避ける手段として有効です。従来であれば予約しなくても気軽に来訪できたモデルハウスやショールームですが、日時によっては混雑は免れません。感染予防のためには密集は避けたいところです。そのためには「完全予約制」を導入し、来訪者同士のバッティングを避けると良いでしょう。

「完全予約制」にすることによって、ゆっくり見て回れるのはもちろん、感染の可能性をできる限り減らすことができます。コロナ渦において不安の大きいお客様を安心させるための手段として「予約制」は有効に働いてくれるでしょう。

オンライン内見を実施する

従来であれば、実際に現地に赴き見学していたところ、ステイホームの意識が根付きつつあるため、不要不急の外出は避ける傾向にあります。しかし「住宅購入は人生で最大のお買い物」と言われるように、多額のローンを抱えることになるため、実物を見たいというのがお客様の当然の心情です。

「HP上に写真をアップすれば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、写真だけでは細部の確認ができません。その点、オンライン内見であれば、ビデオ通話でリアルタイムに見たい場所の知りたい情報を届けることが可能です。ZOOMやFacetimeなどのツールを利用して、スタッフがお客様指示通りに動きながら説明をしていくことにより、実際の内見と同様の体験をしてもらうことができるでしょう。

静止画よりも映像として見ていただく方が購入後の生活をイメージしやすくなるため、購入検討率も上がるはずです。

WEB集客施策に注力する

在宅時間が長いため、コロナ禍ではインターネット利用者が増加。住宅購入に関する情報収集もWEB上で行う流れになっているとみて良いでしょう。そのため、以下のようなWEB施策が集客に有効的です。

  • ホームページリニューアル
  • ブログ更新
  • SNS投稿

コロナ禍で不安の残る中、住宅購入を検討しているお客様に自社に少しでも興味を持ってもらうためには、お客様の持つニーズを満たす情報を発信し続けることが重要です。お客様が知りたい情報としては「間取り・設備」「立地・環境」、そして「予算面」が考えられます。特に経済活動が不安定な今、予算面は押さえておきたいコンテンツだと言えるでしょう。

ただし、闇雲に情報を発信し続けるのではなく「良質な」コンテンツを掲載する必要があります。お客様が納得いくような内容でない限り興味をもってもらうことは難しいため「取り扱うコンテンツ」や「情報に過不足が無いか」といったことを良く吟味することが重要です。

ウィズコロナ時代の工務店経営戦略とは

ウィズコロナ時代においてはオフラインに加えて、オンラインでの顧客接点を築いていくことが重要になります。住宅展示やイベントの開催など、お客様に興味を持ってもらうための施策が難しい状況下において、オフラインでの集客は苦戦することが目に見えています。一方、コロナ時代においてもSNSやブログ、ホームページなどのオンラインでお客様と接点を持つことは比較的容易であるだけでなく、多くのメリットがあるのです。

【オンラインのメリット】

  • 時間・場所に縛られないことによる気軽さ
  • ターゲットとの接点を増やせる
  • 住宅購入層=SNS利用者層
  • 写真や動画での直感的な訴求が可能

オンラインアカウントを開設すれば、単純に窓口が増えるため、お客様の目にとまる機会が増えることになります。特にSNSにおいては、年々利用者数が増えており、2020年末には約8,000万人に到達すると見込みです。住宅購入層である20~30代の利用者が多いためSNSを効果的に利用できれば、不特定多数の顕在・潜在ターゲットへのアプローチが可能になるでしょう。

またSNSでは、メッセージやコンタクトを図るハードルが低いため、魅力的な投稿ができればオフラインへの誘導も容易になります。

何度も展示場やイベントに足を運んでいた従来とは違い、これからは先にある程度の意思決定をした上で内見を行い、最終判断を下す形に変わっていくでしょう。そのため、自社の存在に気づくお客様の数を増やすことが重要になります。

まとめ

ウィズコロナ時代を戦っていくには、ニーズの変化に柔軟に対応することが重要です。そのためには「オフラインとオンラインで顧客との接点を増やすこと」が最重要課題となります。まずはオンライン内見やWEB施策の導入を検討しましょう。

オフラインのみで対応していた従来の経営戦略を貫き通すだけでは、すぐに万策尽きてしまいます。先行き不安な状況下において、お客様のニーズに合わせたツールの導入や対策をとることは、お客様に安心感を与えるでしょう。

お客様の信頼感を勝ち取ることが結果的に来店・契約に繋がっていくのです。

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