工務店経営者インタビュー|大阪府大阪市「株式会社西村工務店」西村勇二様

2020年12月、社長就任したばかりの西村さん。一戸建て住宅の新築、リフォーム、リノベーションを中心に手掛ける「西村工務店」の5代目です。21歳で修業をスタート。26歳で一級建築士に一発合格という快挙を成し遂げました。人懐こい笑顔に隠された、己に厳しい努力家の稔侍をお伺いします。

26歳で一級建築士に合格、10の資格を持つ社長

2020年末、5代目代表取締役社長に就任しました。

創業は明治初期、歴史の長い会社ですね。

初代の高祖父は、満州で宮大工をしていました。現在のような総合的な工務店になったのは、前社長である父の時代からです。

30歳で社長就任というと、業界ではかなり早い方だと思いますが。

ここ3年ほどは既に実務の大半を任せてもらっていまして、実際は肩書だけ変わった感じです。先代は先見の明がある人で、時代に合わせて柔軟に手広く会社の基礎を作ってきました。その背中を見ながら学んだお陰で、こうして順調に仕事をさせてもらっています。

「西村工務店」は、ひとことで言うとどんな会社ですか?

設計事務所としての企画力、工務店としての技術力、不動産屋としての情報力、これら三位一体が売り物です。窓口ひとつでお客様の要望に応えられますので、その分無駄なコストが抑えられ、工事にお金がかけられます。

ゼネコン勤務から家業へ。予想外の低迷に大ショック。

高校卒業後、ゼネコンにお勤めだったそうですね。

3年勤めました。実はとんでもない激務で、転職しようと思ったのですが、先代に「3年は我慢してみろ」と言われ頑張りました。肉体的には過酷でしたが、良い勉強になりました。

そして21歳の時に「西村工務店」へ。

当時は父が一人でやっていて、その手伝いという形でした。自営業なので浮き沈みは仕方ないのですが、ちょうど業績が底の時期で、せっかく激務から解放されたのに今度は仕事がない不安です。そんな時、大変な仕事が来てしまいまして……

それはかなりハードな内容だったのですか?

通常の半分の工期でやってくれという無茶な内容でした。しかし、受けないと経営が立ち行きません。それでも無理なので断ろうと思ったとき、相手の方と腹を割って話す機会があり、結果的にお受けすることになりました。父と2人で夜中まで作業をして、何とか工期に間に合わせましたが、その時「もっと自分がしっかりせねば」と思ったのです。

一発合格で一級建築士に。「日本でいちばん勉強しました」

それが、一級建築士になろうと思ったきっかけですか。

はい、しかし私は工業高校を出ただけで無学でした。まずは2級から受けるのですが、人の何倍も必死に勉強して、その年の試験に合格しました。そして、一級は4年の実務を経ないと受験資格がないため、その間の4年間も同じペースで勉強を続けて、宅建やインテリアコーディネーターなど、仕事につながる資格にトライしました。

だから資格を10もお持ちなんですね。若いのにすごいなと思ってました。

勉強のリズムを失いたくなかったんです。一級は本当に難しくて、東大クラスの人でもなかなか一度で合格はできません。その中で高卒の私が一発合格しました。26歳の時です。自分で言うのも変ですが、あの時は「日本一勉強した」と思っています。

スタッフ全員、施工+設計の力を持つ「建築人」

受注の9割以上は、私が客先でご要望をお伺いします。

現在スタッフは6人という事ですが、いつ頃から増えてきたのですか。

2017年から年1名ずつ採用しています。全員が施工と設計、両方の知識を持つ「建築人」ですが、受注の9割以上は私がお伺いしています。私ですと不動産からインテリアまで一括でお話が伺えるので、お客さまのご要望に対して幅広く提案ができます。

ご要望の聞き取りは、やはり大事な部分ですよね。

そうですね。ただし聞くだけではなくて、お客様の言葉の向こう側にある「ご要望の本質」を引き出すことが大事です。既存の選択肢から選んでもらうのではなく、想像された以上のものをご提案する、それが弊社のセールスポイントだと考えます。

思っていた以上の出来栄えだと、お客さまも感動されるでしょう。

それが我々の喜びでもあります。でも、資格を取った当初は自分の意見を押し通してしまう事もありました。お客さまが気に入ってくださったので事なきを得ましたが、自分にとっては反省すべき思い出です。

ホームページより現場写真

八尾トーヨーさんとは、飛び込み営業が縁でした。

八尾トーヨーとのお付き合いは、飛び込み営業が縁でしたね。

うちで施工中の物件を見かけて、電話をしてこられて以来のお付き合いです。私はSNSやインスタ、飲み会など、積極的に人とのつながりを持つようにしており、BtoBのネットワークも大切にしたいと考えます。ただ、工務店同士だと横のつながりを持つのは難しいんです。そこを八尾トーヨーさんの力で、コミュニケーションの応援をしてくださっています。

家具付き中古住宅を実験的にリフォーム中です。

今後の課題を教えてください。

社内に関しては、従業員は増やしていきたいですね。ただ、大所帯になると今のオールラウンドプレーヤーのスタイルをどこまで維持できるか。私もだんだん内勤が増えてきて、そのバランスは社長としての悩みどころですね。

やってみたい仕事や、プロジェクトはありますか?

今、家具付きの中古分譲を実験的に作っています。せっかく理想の建物を作っても、家具がマッチしていないと台無しになってしまいます。モデルルームを見て気に入ったけど、住み始めるとイメージが違う、という事はよくありますよね。それを丸ごと提案できないかという試みで、外国では浸透しているスタイルです。日本でも需要はあると見込んでいます。

まとめ

社長自らが経験した激務を社員にさせないよう、遅くとも19時退社を徹底する西村工務店。業務終了後はみんな自主的に残って、勉強会を開いているそうです。もちろん資格取得も会社がサポートします。学びへの意欲は、頑張り屋の社長の影響なのかもしれません。

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