工務店の利益率25%は適正?粗利が上げられない時は集客改善を!

工務店経営で利益率25%は適正です。むしろ、最低ラインと考えても良いと言っても過言ではありません。しかし、利益率をあげたら客離れしないか心配になる経営者の方もいらっしゃるでしょう。今回は、工務店の利益率について、重要性や平均値を詳しく解説します。利益率を上げる方法や集客施策も紹介しますので、利益率アップに二の足を踏んでいる経営者の方はぜひ参考にしてください。

工務店における利益率の重要性

工務店において、利益率は集客に直結する問題です。一見、両者には関連性がないように感じるかもしれませんが、利益が出なければ広告が打てなくなります。広告が打てないとなると、情報発信ができず、集客が難しくなるでしょう。その結果、利益率が下がるという悪循環に陥ってしまうのです。

例えば、原価率80%の家を2,000万円で売っているとしましょう。この場合の粗利額は以下の通りです。

2,000万円×20%=400万円…粗利額

さらにこの400万円から「人件費」や「広告費」などを捻出しなければならず、純利益はますます減ります。対策をするにも人件費を削ることは難しいでしょう。しかし、広告費に手をつけてしまうと「集客」ができなくなるため、かえって仕事がなくなってしまうという負のループに陥ってしまいかねません。

そのため、工務店では一定の利益率確保が非常に重要です。

利益率の平均

従業員数や年商などの条件にもよりますが、利益率20%を下回る工務店が多数派のようです。しかし、20%以下だと純利益がほぼないと言っても過言ではありません。そのため、最低でも利益率25%を目指すと良いでしょう。

特に従業員数が多い場合は、少ない場合よりも粗利を多く取る必要があります。それだけ給与の支払いが増えるので当然のことです。

「利益率が低くても数をこなせば大丈夫」といった考え方も可能ですが、工務店は効率化を図ることが難しい業種です。製造業のように同じ型を量産することができないため、数をこなそうと思えば人を増やす必要が出てきます。人を増やせば人件費がかかり、利益率が落ちるため、良策とは言い難いでしょう。

工務店が利益率を上げる方法

では、工務店が利益率を上げる方法にはどのようなものがあるのでしょうか。以下の3点を押さえておきましょう。

  • 付加価値を高めて販売単価を上げる
  • 売上原価を見直す
  • 経費を下げる(工期短縮または工程管理、打ち合せ回数の削減 等)

他社との差別化を図ることで、自社に希少性が生まれます。魅力的な付加価値であれば単価を上げたとしても、そこに価値を感じたお客様が集まってきてくれるでしょう。また、売り上げ原価や経費は定期的に見直すことで費用対効果を上げることができるので、結果的に利益率アップに繋がります。

付加価値を高めて販売単価を上げる

販売単価を上げて利益率を高めるには、他社にはない魅力やサービスを付加価値として提供する必要があります。例えば「古民家風の住宅ならどこにも負けない」や「ドイツ製の食洗器をプレゼント」などです。

自社サービスに価値を感じてくれているお客様であれば、他社よりも金額が高かったとしても契約を決断してくれます。さらに、自社のファンになってくれる可能性が高いため、友人・知人の紹介も期待できるでしょう。

ただし、付加価値がないまま単に販売単価を上げてしまっては、お客様は離れていってしまいます。販売単価を上げる前に、まず他社と明確に差別化できる、自社にしかない付加価値がないか考えることが重要です。

売上原価を見直す

売り上げ原価に無駄があるのはとてももったいないことです。そのため、定期的に見直すようにしましょう。例えば材料費や加工費、製造工程や作業方法の見直しなどが有効です。

また、面倒かもしれませんが仕入れ業者からは年に1回見積をもらうようにしましょう。原価率や仕入れ金額を見直す良い機会になります。

経費を下げる

工程管理や現場での打ち合せの回数などを見直すことも経費削減に繋がります。例えば、現場管理アプリの導入が有効です。メリットは以下の通りです。

  • 工程表や図面の印刷が必要ない
  • 工程表を共有することで後期遅れが防げる
  • 現場での打ち合せ回数が減る
  • 出先でも確認ができるため、事務所に戻る必要がない
  • チャットで連絡できる

上記のように経費削減ができる上に、工程の無駄を省くことによって工期の短縮にもなります。また、お客様にも導入を依頼すれば、打ち合せも最小限に済ませることができます。さらに、現場に赴くことなく日々進捗度合の確認してもらえるため、安心感にも繋がるでしょう。

利益率アップに抵抗がある経営者はどうすればいい?

お客様との距離が近い分「利益率を上げたらお客様に申し訳ない」と思われる経営者の方もいらっしゃるでしょう。しかし、粗利25%でも倒産する工務店が後を絶たないのが現実です。

倒産してしまっては「お客様に申し訳ない」どころか、自分の生活に影響が出るだけでなく従業員を路頭に迷わせることになりかねません。また、良い住宅を建てるには一定の利益を確保しておく必要があります。利益が無いために資材費をケチってしまえば良い住宅を建てることはできず、本末転倒です。

しかし、利益率アップにどうしても抵抗があるという方は、集客施策の改善に取り組んでみましょう。契約するお客様の数を増やして、単価を少しずつ上乗せすれば必要以上に申し訳なく思うことも無くなるはずです。

集客施策を改善する方法

集客施策を改善することも利益率を上げるためには重要です。例えば以下のような施策が考えられます。

  • ホームページをリニューアルする
  • コンテンツSEOに取り組む

住宅購入のメイン層である30代は90%がインターネットユーザーです。ちらしや広告、展示場などオフラインでの集客が十分でないならば、オンラインに力を入れてみましょう。

ホームページをリニューアルする

すでにホームページを持っているのに集客ができていないのであれば、現在のホームページでは自社の魅力を伝えきれていない可能性があります。

住宅購入のメイン層は30代であり、90%がインターネットユーザーです。ちらしや展示場などで気になる工務店を見つけた場合、ほとんどの方がスマホやPCを使用して検索するでしょう。

せっかく「もっと良く知りたい!」と思えてもらえたのにもかかわらず「ホームページがない」もしくは「ホームページが古い」と期待値が下がってしまいます。

多くの場合、お客様ははじめからひとつの工務店に絞って検索するということは考えにくいでしょう。気になる工務店を2~5社に絞った上で比較検討するはずです。そんなとき、画像が荒い・操作性が悪い・導線が悪いなどのできの悪いホームページだと、商品とは直接関係ない部分で候補から外される可能性が出てきます。

「そうはいっても人材確保が難しい上にカタログ代もばかにならないからなぁ」と思う気持ちも分かります。しかし、ホームページをタイムリーにわかりやすくリニューアルすることで、先ほどのような機会損失を防ぐことができるのです。

コンテンツSEOに取り組む

ホームページリニューアルと共にコンテンツSEOにも取り組みましょう。コンテンツSEOとは、「ユーザー(お客様)ニーズに沿った良質なコンテンツ(記事)を継続的に発信すること」です。例えば、コンテンツSEOの一環として「住宅購入に関する不安解消コラム」を掲載するのも良いでしょう。

お客様が工務店を決める理由のひとつとして「相談しやすい」ことが挙げられます。生涯で何度も住宅を購入する人は少数派です。そのため、お客様は家づくりに関して素人と言っても良いでしょう。

また、お客様が住宅購入を検討する際「親の知り合い」や「友人が勤めている」等の特別な繋がりがない限り、一から工務店を探すでしょう。展示場やイベントに行くにしてもある程度の目星をつけるために事前の情報収集は欠かさないのが通常です。

つまり、お客様は住宅購入に関して潜在的に「不安を抱えている」と言えます。特に工務店に知り合いがいない場合は相談しづらい環境にあると言っても良いでしょう。

もし事前調査の段階で、ホームページに「自分の悩みに寄り添ったコラム」が掲載されていた場合、コラムを読み込むだけでなく、自社に興味を持ってもらえるきっかけとなります。また、来店後はコラムの内容を引き合いにお客様が相談しやすい環境を整えることも可能です。

もし契約に至らなかったとしても「あの工務店のコラムはすごく役に立つ」という口コミを広めてくれるかもしれません。そのため、コンテンツSEOに取り組むことで、お客様が見込み客を連れてくるという良い連鎖が生まれる可能性も期待できるのです。

まとめ

工務店で一定の利益率を確保することは、経営はもちろん、集客面や顧客満足にも影響を及ぼします。しかし、急激に利益率を上げようとすると各方面から不満が出てきます。そのため、まずは現在の利益率を把握して、25%を目指しましょう。工務店の魅力は「予算内で建てられる」ことにもありますが、ただ安く建てるだけでは利益率は上げられません。他社との差別化を図った上で、経費削減やホームページリニューアルなどの施策を行い、企業努力をしていきましょう。

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