【2020年~2021年度(令和2年)版】ZEH補助金を徹底解説!

国を挙げて推進しているZEH(ゼッチ)。簡単に言うと省エネ住宅であり、ZEH仕様の住宅であれば、国から補助金の交付を受けられます。しかし、その制度をよく理解している人は少数派では無いでしょうか?

さらに2021年度より省エネ法改正が、さらに2023年度より光熱費表示等がスタートします。コロナ禍で住宅需要が低迷している中、住宅に関する説明義務など工務店側の負担は増加していきます。

お客様にしっかり説明ができるようにまずは、ZEHについてしっかり理解しておきましょう。ここでは、ZEHの種類や補助金の交付スケジュールなどについて、詳しく解説します。

ZEHとは

ZEHとはネット・ゼロ・エネルギーハウスの略称です。簡単に言うと「自宅で消費するエネルギー≦自宅で創るエネルギー」を実現する住まいのことを指します。ZEHとして認められるには様々な要件をクリアする必要がありますが、大きく分けて以下の3つです。

  • 断熱
  • 省エネ
  • 創エネ

ZEH住宅と認定されるためには、高性能な断熱材や省エネ設備、HEMS(家庭エネルギー消費管理システム)を用いてエネルギー消費を極力抑えられることがポイントです。その上で、太陽光発電システムで消費エネルギーを上回るエネルギーを発電する必要があります。その結果「1年間の消費エネルギーを0もしくはプラスにできる」住宅だと判断されれば、ZEHとして認定されます。

現在、2030年までに新築住宅のZEHスタンダード化を図るために、国はZEH仕様を推進中です。そのため、ZEH仕様を取り入れやすいように補助金制度が導入されました。性能によって補助金の額は変動しますが、将来的に標準仕様となる住宅をお得に建てられるチャンスと言えるでしょう。

ただし、補助金を受けるためには「ZEHプランナー」(建築事務所など)や「ZEHビルダー」(ハウスメーカー・工務店など)に登録した業者で住宅を建てる必要があります。登録していない業者が住宅を建設した場合、いくら要件を満たしていても補助金の対象からは外れてしまうため、注意が必要です。

一般社団法人環境共創イニシアチブのページからZEHビルダー、ZEHプランナーの登録ができます。

ZEHの種類

ZEHには以下の3種類があります。

  • ZEH
  • ZEH+
  • ZEH+R

3つの違いは性能です。「ZEH < ZEH+ < ZEH+R」の順に高性能住宅となります。「ZEH」はZEHロードマップにおけるZEHの定義を満たした最低基準です。

ワンランク上の「ZEH+」は「ZEH」からさらに高性能化を図った住宅です。「断熱性のさらなる強化」や「電気自動車の充電設備を導入」など、再生可能エネルギーの自家消費を拡大させる必要があります。

最高性能の位置づけとなる「ZEH+R」は、「ZEH+」に加えて、停電時の電力供給が可能なシステムの導入や温水機能の確保などの要件が盛り込まれています。

また、性能が上がれば上がるほどに住宅資金も高額になるため、補助金額がアップします。「ZEH」と「ZEH+R」では、下記のように50万円ほどの差が開きます。

ZEHZEH+ZEH+R
定額60万円/戸定額105万円/戸定額115万円/戸

ZEH支援事業

ZEHのスタンダードな概要は以下の表の通りです。

補助額定額60万円/戸
【追加補助額】
蓄電システム設置で2万円/kWh
(ただし、上限20万円または補助対象経費の1/3)
補助対象者(申請者)・新築戸建てをZEH仕様で建てる方
・建売新築戸建てZEHを購入する方
・自己所有の戸建て住宅をZEH仕様にリフォームする方
主な要件以下、ZEHの定義を満たすこと
・外皮基準を満たしていること
・20%以上の一次エネルギー消費量削減(再生可能エネルギーは除く)
・再生可能エネルギーを導入(容量不問)
・基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギーの消費量削減
備考地域や条件によって、「Nearly ZEH」や「ZEH Oriented」も同額の補助金を交付。
詳細ページURLhttps://sii.or.jp/moe_zeh02/support/

主な要件として「20%以上の一次エネルギー消費量削減」を満たしていれば、1戸につき60万円の補助金が交付されます。

また、蓄電システムを設置した場合には2万円/kWh、上限20万円もしくは補助対象経費の1/3の補助が追加されます。

ZEH+実証事業

補助額定額105万円/戸
【追加補助金】
なし ※条件ありで申請可能(備考欄参照)
補助対象者(申請者)・新築戸建てをZEH+仕様で建てる方
・建売新築戸建てZEH+を購入する方
・自己所有の戸建て住宅をZEH+仕様にリフォームする方
主な要件・ZEHの定義を満たすこと
・25%以上の一次エネルギー消費量削減
・「ZEHよりもさらに高断熱」「高度エネルギーマネジメント」「電気自動車の充電設備」の2つ以上を導入
備考・「先進的再エネ熱等導入支援事業」を併願すれば、蓄電システムの追加補助(2万円kWh、上限20万もしくは補助対象経費1/3)の申請可能
・地域や条件によって、「Nearly ZEH+」も同額の補助金を交付。
詳細ページURLhttps://sii.or.jp/meti_zeh02/zeh_plus/

補助金額が45万円アップする「ZEH+」では、対象となる要件が増えます。ZEHの定義を満たしていることはもちろん「さらなる省エネ」と「再生可能エネルギーの自家消費拡大促進設備」の導入がマストです。

ZEHで対象となっていた追加補助金は、「ZEH+」は対象外です。ただし「先進的再エネ熱等導入支援事業」と併願することによって、蓄電システムの追加補助申請が可能になります。

ZEH+R強化事業

補助額定額115万円/戸
【追加補助額】
・蓄電システム設置で2万円/kWh
(ただし、上限20万円または補助対象経費の1/3)
・ 太陽熱利用温水システム
 液体式:17万円/戸
 空気式:60万円/戸
・停電自立型燃料電池
 4~11万円+α
補助対象者(申請者)・新築戸建てをZEH+R仕様で建てる方
・建売新築戸建てZEH+Rを購入する方
・自己所有の戸建て住宅をZEH+R仕様にリフォームする方
主な要件・「ZEH+」の要件を満たすこと
・停電時に電源を確保できること
・「蓄電システム」「自立制御電源を確保した太陽熱利用温水システム」「停電自立型燃料電池」の1つ以上を導入
備考地域や条件によって、「Nearly ZEH+」も同額の補助金を交付。
詳細ページURLhttps://sii.or.jp/zeh_plus_r01r/

「ZEH+」から補助額が10万円アップします。さらに追加補助額の対象が「蓄電システムの設置」「太陽熱利用温水システム」「停電自立型燃料電池」と幅広くなります。

主な要件として、満たすべき定義が「ZEH」のものから「ZEH+」に変更されます。また、停電時や災害時に機能する電源や温水システムの導入が必須です。

ZEH補助金の申請スケジュール

補助金申請スケジュールは下記の通りです。

2020年11月時点で、ほとんどの公募が終了しており、唯一ZEHの第四次公募(11/30~1/8)に申し込みが可能です。

四次公募のみ事業期間が短いため、年度をまたぐことが認められています。ただし、2/26までに「1年目の完了実績報告」と「翌年度補助事業開始申請承認申請書」の提出が必須です。また、2021年4月には2年目の交付申請が必要となるため、書類の提出漏れがないように注意しておきましょう。

V2Hとは

V2H(Vehicle to Home)とは、車から家へという意味です。電気自動車に蓄えられた電力を家庭用に有効活用するための考え方を指します。V2Hを導入することにより、自動車が蓄電器のような役割を果たすことが可能です。日中は家庭で利用する電力を自動車からまかない、電気料金の安い夜間に自動車へ充電するというエコなサイクルを創ることができます。

V2Hは「ZEH+」「ZEH+R」において、主要条件に上る項目です。ZEHが提唱している「1年間の一次消費エネルギーを0またはプラスにする」ために、導入が推奨されています。

まとめ

ZEHの補助金を受けるためにはまず工務店が「ZEHビルダー」になる必要があります。ZEHビルダーにならなければ、いくら要件を満たした住宅を建設しても補助金の交付は受けられません。

また、結果的にお得になるとは言え、導入しない場合に比べてZEH住宅は初期投資が高くなりがちです。しかし「光熱費の軽減」や性能を上げることによる「住宅の資産価値上昇」が期待できます。納得のいく家づくりになるように、お客様にメリット・デメリットを説明した上でZEHを取り入れるかどうかを検討・活用していきましょう。

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